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調教学園寮夜話
【学園物 官能小説】

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第8話『牝豚失神』-1

 すっかり全身を紅潮させた【A4番】を眺め、改めて9号教官は認識した。 Aグループ生――学園で丸2年以上を過ごした生徒達――は、B、Cと比べて一味違う。 鞭で叩かれることに対して、無論恐怖はあるのだろうが、物怖じする素振りがない。 こちらが『叩く』といえば、自然に『叩かれる』ための姿勢に移るのだが、そこにはどうしても躊躇いが出てしまうものなのだが、それが極めて少ないといえる。 お尻を叩く、となればお尻を掲げるし、背中を叩く、となればうつ伏せになる。 常に鞭を振るいやすいように身体を傾けたり、足を拡げて内側を晒したり、場合によっては膣の襞をうてるよう陰唇を引っ張ったり、尻の谷間を割って肛門を剥きだしにすることも怖じけない。 その結果完成した【A4番】の『豚肌』は、作成者の9号教官をして惚れ惚れする出来上がりだ。 大前提として自分の鞭捌きが完璧だったことがあるが、それと同じくらいに【A4番】がジッと正しい姿勢で鞭に耐えた点が、この仕上がりに貢献している。

「……まあ、このくらいなら上出来でしょう」

B、Cグループ生ではこうはいかない。 彼女たちも、一応自分たちが鞭を打ってもらう立場であり、鞭打ちしやすい姿勢を取るべきというのは、頭の中では分かっている。 それでも微妙に悶えたり、恥部や乳首のように敏感な部分を無意識のうちに庇ったり、鞭打たれる場所に併せて姿勢を変える動作が緩慢になってしまう。 そうなると鞭の張りが場所によって違ったり、鞭打ちに時間がかかり過ぎたりして、色にムラや漏れがでてしまうのは避けられない。 その点【A4番】はしっかり自分をコントロールし、マゾヒストとして鞭に身を呈したといえよう。

「フガ、フゴッ」

 鼻の奥を鳴らす【A4番】。 ただ『ブヒブヒ』いうのとは違い、本物の豚そっくりだ。 たっぷり浣腸液が詰まったお腹をタプタプゆすり、始終鼻の縁をヒクヒクさせ、勢いよく鼻から息を噴いている。 こういった細かな演出を、こちらが指示するより先に出来る点も、Aグループ生ならではだ。 

「たまには下品な光景も目の保養です。 せっかく豚になったんだから、豚らしくブザマに振舞いなさい」

「……ブヒィ」

 拡げきった鼻の穴を大きくヒクつかせ、豚になった少女は頷いた。 ブザマ……この抽象的な単語1つでどこまで自分を貶められるかが、今回のチェックポイントになる。 『M奴隷』には『自発的に主人の意を組む』能力が求められるわけだが、難しいのは匙加減だ。 『モノ』であれば『機能性を高める』ことだけ考えればいい一方、『M奴隷』は『主人を愉しませる』ための存在といえる。 主人が『激しい自虐』を求めているのか、『上品な挙措』を求めているのか。 『あからさまな仕草』『慎ましい淫靡さ』『慈悲を求める懇願』『真摯に受け止める忍耐』等々、主人を喜ばせるポイントは千差万別であり、その意図を明確に察知するには多くの経験が物をいう。 更にいえば、察知したところで自分がその希望に添えるものとは限らない。 気儘、不条理な主人の希望に添えるかどうかも『M奴隷』の技量に含まれるわけで……。

 鞭をパシパシ鳴らしながら、這いつくばる豚少女を見下ろす醒めきった視線。 【A4番】がどの程度のブザマさを見せてくれのか。 並大抵で納得するような9号ではない。 

「フゴッ、ブヒブヒブヒッ!」

 と、少女が唐突に走りだした。 当然手足を折り畳んで、『膝』と『肘』を床につける『豚の四つん這いスタイル』のまま。 ただの四つん這いで走ることも充分に大変な動作なのに、豚スタイルでは尚更だ。 それでも少女の走りは、Cグループ生が通常の四つん這いで走るよりも、速さにおいて明らかに上回っている。

「プギッ、フギッ、ブヒッ」

「うわぁ……」

 9号は思わず目を逸らした。 自分の周りをグルグル走り回る【A4番】が、余りに必死すぎて滑稽なためだ。 よろめきながら駆けまわり、転んでもすぐ起きあがる。 空調を効かせた室内にあって、鞭で染まった肌は汗まみれなテカテカだ。 呼吸がどんどん荒くなり、口を使わないせいで、ただでさえ拡張された鼻が、親指が根本まで入りそうに膨らんでいる。 グルグル周回を重ねるにつれ、視線が焦点を失って、瞳が白目気味になっている。 これらは少しでもブザマさを増そうという【A4番】の演技だろうか? それとも【A4番】は半白目の醜態を晒さざるを得ないくらい一生懸命駆け回っているんだろうか?

「プギッ、フギッ、ブヒィ……ッ」

 ギュルルルルッ。

「……うふっ」

 一際大きくお腹が鳴ったとき、9号は苦笑を漏らしてしまった。

 音から察するに、体内に入れているのは『本物の浣腸液』だ。 そして浣腸液でこれだけ大きくお腹を膨らませて走る以上、胎内の撹拌は並大抵ではない。 それだけお腹がキュルキュルな中で爆走しているんだから、少女の醜態は本物に違いない。 



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