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不貞の代償
【寝とり/寝取られ 官能小説】

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忘我2-1

 巨漢の男にレイプされ、巨根で粘膜を責め続けられ、徹底した快楽を与え続けられたら、憎悪以外の感情を生み出さない自信はあるのか、といった不安をかつて抱いたことがあった。田倉を知ったあとよく夢想した。
 誰の助けもない二人きりの部屋で体の大きな男が変貌する恐怖。力の弱い女への容赦のない暴力。
 妄想の中の男――岩井と初めて会ったあの日……。
 会話の途中で脱力感に襲われた。体の芯を抜き取られたかのように、起きあがることすらできない。そんな状態で抱きすくめられた。体をまさぐる岩井のいやらしい手の動きに戦慄を覚えたが、パンティが食い込むほどの執拗な責めに、たちまち体が溶けていった。官能を司る神経が皮膚の表面に集まっているようだった。特に粘膜は怖いくらい敏感だった。
 最初に犯されたのは口の中だった。
 巨大な手で後頭部をつかまれて仰向かされる。岩井の顔が目の前にある。指で唇を捲り返されたときは羞恥で戦いた。歯の白さを褒め称え、健康な歯茎の色だと岩井が喜んだ。
「口の中を見れば体調がわかる。女は男のために常に健康でなくてはならない」
 指を差し込み、舌や歯茎、頬の粘膜を愛撫された。含んだ指が夫のペニスと同じような大きさであることに気づき、ゾクッとした。
「亭主のものだと思って舐めなさい」
 心の中を読まれたと思い、頬が熱くなる。
 違和感を感じたのはワインを飲んだあとだった。あらゆる粘膜を劇的に感じやすくする薬らしい、ということを後に知る。腕力で簡単に犯せるにもかかわらず薬を使ったのは、自分専用の性処理人形として作り替えるためであった。果たして、岩井なしではいられない体になっていった。
 引き抜いた指のおいを嗅ぐ。恥じらって顔を背けると、首をねじられて唇をふさがれた。太い舌がのど奥に届いたとき脳天に電流が走った。岩井の腕の中で泣きじゃくる自分の姿が見えた。根こそぎ舌を吸われながら気を失った。
 意識が戻るとソファーの上で後ろから抱かれていた。岩井の顔が目の前にあった。たった今キスを解いた、そんな感じであった。口の中がネバついている。自分の唾液のにおいではない。気を失っている間、口を吸われていたのだ。あまりの恥ずかしさにすすり泣いた。その唇を再び吸い取られる。ぬるりと差し込まれる舌を唇を開いて迎え入れるしかなかった。
 気を失っている間に握らせたのだろう。自分の胯間から伸びている岩井の腕を知らぬ間に握っていた。さらには自分が全裸であることを知る。
 握っている筋肉質のものは腕以外何物でもないと思っていたが、そうではなかった。それは想像を絶する大きさのペニスであった。知ったと同時にざらりとした指先を乳首に感じた瞬間、頭の中が真っ白になった。エクスタシーに達したことを悟った。
 肉体が期待感に震えていることに愕然とする。これからどれほど絶頂に導かれるのだろう。頭の中は握りしめている屹立したペニスのことでいっぱいだった。
 フワリと体が浮き上がった。今度は胸を合わせる格好で抱かれた。岩井の分厚い腰を両脚で抱くことになる。田倉の筋骨に驚いたが、その比ではない。裸の岩井は強い体臭を放っていた。腰の下で岩井の剛毛を感じて羞恥で気がおかしくなりそうだった。
 股間にそびえ立つ巨大なペニスがお腹に密着する。熱を帯びた鋼鉄のようだった。先端が乳房に触れて口の中で悲鳴をあげた。この筋肉の塊で体の中を掻き乱される。そう思うと半狂乱でセックスをする自分の姿が脳裏に浮かび、口の中が唾液で満たされた。
 後頭部を抱かれると指がこめかみまで届いた。髪に潜った指先が頭皮を擦る。分厚い肩に頬を押し当てることしかできなかった。お腹で脈打つ塊から意識が離れることがない。
 膣でのセックスの快感に変わるものはないと思っていたが、岩井の正鵠を射るようなアヌス責めに屈することになる。あり得ない箇所の性感帯をいくつもいくつも探り当ていく。快感は田倉に責められたときとは別次元であった。愕然としつつも自分の精神ではどうすることもできないくらい体が蕩けていった。
 抱き直し、女性器にペニスに密着させた。
「気を失っている女の口を吸うのもなかなかよいものだ。たっぷり味わうことができた」
 アヌスの表面で岩井の指がよく滑る。愛液を塗り込んでいるのだ。
「うふん、あふん……」
 舌足らずの自分の声が耳に入る。こんな声しか出せないのだ。
「唾もよーく出るし。味もいい」
 自分の口からほとばしる官能の嬌声を耳にしていた。声が出せないので空気が漏れているようで、かえっていやらしく聞こえた。
 ペニスの裏筋は自分が生み出した体液でぬるぬるだった。


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