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【調教 官能小説】

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直人との出会い-1

1階の踊り場では豪華なセダンがわたしを待っているように横付けされていた。コンシェルジュの女性が「川瀬様、此方です」と洗練された運転手にわたしを引き合わせるように紳士なマネージャを引き連れて「此方にどうぞ」とわたしが後部座席に座るまで頭を深く下げたままだった。

「あの。わたしは」

そう言いかけたとき運転手は「直人様から指示を頂いてます。大丈夫です。ごゆっくり寛ぎ下さいませ」と言ったきり何も話さず首都高を登ってわたしの家に向かっているようだった。

下高井戸を降りてわたしのアパート近くに着いたとき高級セダンのドアに手を添えた運転手は「直人様からのお預かりものです」と真っ更な封筒を渡し深く頭を下げてアパートに入るまでを見届けているようだった。

「何かしら」

部屋のテーブルに置いた封を空けると一枚の紙がわたしを誠実に誘うように手書きの手紙が収められていた。

背景 川瀬 夏希様
ご無礼を承知で筆を執らせて頂きます。青山直人です。
沙也加から貴方の事は伺っておりましたが、もう一度貴方にお会いしたく、宜しければお食事をさせて頂けないかとお誘い申し上げます。
私の連絡先は此方で御座います。
ご連絡頂けると幸いです。
敬具 青山 直人

「やだ、ラブレターじゃない」

咄嗟にさっき会った青年を思いだしていた。沙也加さんの弟と言っていた青年の年齢は全く分からなかった。綺麗な笑顔と洗練された上品さしか記憶に残っていなかった。

「どうしよう」

沙也加さんの弟だけに無碍にする訳にもいかず何か返信しなければいけないことは分かっていた。

悪戯に時間が過ぎる中で何度も書き直して躊躇いながらも、ようやくわたしは「此方こそ宜しくお願いします」と連絡先を添えて返信することで精一杯になってしまい疲れたように眠ってしまっていた。


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