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二人の外道2
【鬼畜 官能小説】

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A:2-1

 駅前の広場のいたるところに設置されているベンチに少女は腰を下ろしていた。今夜はある人と待ち合わせなのだ。その前に別のある人にも連絡を入れないといけない。ブレザーのポケットからスマートフォンを取り出し、ラインアプリを起動した。
『今から新しい金づると会う予定』
 そうラインに打ちこむとすぐに既読がついて返信が返ってくる。
『わかった。今回は俺らが出る必要はありそうか?w』
『ううん、金は沢山持ってそうだし、少し甘えればいくらでも出してくれそう(笑)』
『ちょろいなw前のおっさんはくっそ偉そうでうだうだ抜かしてたのに、囲めばすぐビビッて金出しやがったのはほんっと最高だったぜw』
『あいつ口臭くて嫌いだった。死ねばいいのに(笑)』
『いっそのこと殺しときゃよかったかもなw』
『あ、金づるきたw』
『頑張って薬代稼がないとなw』
『うん、美衣奈頑張る(`・ω・´) じゃあね智くん』
『たっぷりふんだくったら買いに来いよ?』
『おけ、わかった』
 ラインの画面を閉じるのと、男性が声を掛けたのはほぼ同時だった。
「エリちゃん、待った?」
「ううん、全然」
 やや大げさに首を横に振る。少女の髪が揺れて柔らかい香りがAの鼻腔を刺激した。彼はにっこり笑っていい香りがする、と一言褒めた。Aからするとそれはほとんど適当に言い放っただけだったのだが、少女はそれに気づかないようで無邪気に笑っていた。
「えっと……この前のホテルでいいの?」
「うん。いつもそこだから」
「じゃあごめん、車を近くに路駐してるからちょっと一緒に来て。そのままホテルまで載せてくから」
「おっけー」
 少女はAの右横にぴったりとくっつき、腕を絡めて歩く。Aにとってはただ歩きづらいだけだった。
 職務に忠実な警察官の目を無事に免れたAの車。その助手席に少女を座らせると、彼はポケットからスマホを取り出し、何かポンポンと操作してから運転席に座った。その隣では少女がスマホを弄っていたが、彼は特に気にも留めるようなそぶりも見せず淡々とエンジンに火を入れた。
『ヤバい金づるレクサス乗ってる。やっぱ超カネモかもしれない』
『マジかwそいつ絶対離すなよ、たっぷり搾り取ってやれ』
『よっしゃ、そっこー援交代つり上げてやろ(笑)』
『何円入ったか終わったら教えろよw』
『りょ(笑)』
 そう打ちこんで既読が付くのを確認したときだった。おもむろに左の後部ドアが開いて、誰かが乗り込んできた。
「え?」
「こんばんは」
 スマホを持ったまま唖然とする少女に、乗り込んできた男はごく自然に挨拶をした。彼の手からは白い布がはみ出している。
「Aさん変なのがっ!?」
 男のただならぬ雰囲気に少女は隣の”金づる”に助けを求めた。しかし、返ってきた答えと金づるの行動は少女を奈落の底へ叩き落とすものだった。
「こいつは俺の親友さ。おっと、これは回収な」
 握っていたスマホを奪い取られる。数瞬の後、我に返って取り戻そうとAに伸ばした手が後ろの男に掴まれる。
「なにすんだよッ! 離せっはなっ……ぐッ」
 そのまま腕をねじられ、苦痛に歪む少女の口元に布が押し当てられた。
「よし、出していいぞ」
「おっけーぃ、レッツゴー」
 車が走り出す。口が塞がれて呼吸が苦しい。やむなく鼻から吸った息を吐き出す前に、少女は意識を失った。


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