《魔法のりんご》-1
金曜日の夜。
陽子ちゃんが１８時半頃帰宅。
続いて３０分後に叔父さん。
（あれれ？？？）
叔父さんは、３０歳位の男の人を連れて来ていました。
「陽斗君、この人は達也。俺と陽子が通ってるスポーツGYMのインストラクターなんだ。今日休みだって言うから、だったら来たらっ！て誘ったんだ。たまにうちで飲むんだよ。仲良いんだ。」
「陽斗君、はじめまして！九州男児って感じの超イイ男じゃないか。」
「はぁ…そうですか。あ、ありがとうございます…」
「見てみろよ、達也の太い腕、それからこの腹筋！すげェーだろ(笑)」
（叔父さんの行動、読めないよ(汗)話が違くね…）
僕は希望が絶たれたような感覚になって、少しムッとしながら一緒飲み食いしていました。
40歳の叔父さん、38歳の陽子ちゃん、30歳位の達也さん。
世代的になんだか話が合わない。
陽子ちゃんは楽しそうに達也さんと盛り上がっています。
昨日の男の約束、秘密、計画はどこへやら…。
もうかれこれ３時間が過ぎて２２時半。
明日は土曜日で休みとは言え、終わる気配がありません。
陽子ちゃんがお手洗いでいなくなりました。
その隙に、僕は小声で気だるそうに叔父さんに囁いたのでした。
「叔父さん、あのぅ、僕…もうそろそろ上に、、、」
「そうか…。俺、約束忘れてないよ。あと３０分、いや２０分待ってなよ。」
叔父さんと僕の会話の間に、達也さんはキッチンでカクテルのおかわりを作っていました。
戻ってきた陽子ちゃんに、（あんまり飲み過ぎないで下さいよぉー(笑)）とカクテルを渡す達也さん。
つまらなさそうにしている僕に気遣ってか、達也さんは少しエッチな話をし始めたのです。
「自分は腕比べだったら旦那さんより強いから陽子さんを自分のものにできるんだけど、旦那さんのほうが自分より手が早かったから負けちゃったんだよ。(笑)こんな綺麗な女性いないよね〜。」
「やーだ、達也さん！もう、手・遅・れですよぉ(笑)」
と結婚指輪を見せる陽子ちゃん。
（つ、つまらない、今夜は！）
それから１０分位してからでした。
ガチャン！！
陽子ちゃんが手を滑らせてグラスをテーブルに落としたのです。
そして、（ぅぅン、ふぅぁ…なんか、ダメ…）といきなり突っ伏しました。
「おい、陽子！」
「陽子さん、大丈夫すか？」