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「夏の出来事 5」
【若奥さん 官能小説】

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プレゼント1-1

通っている高校の、
卒業式の3日前。

タクミは夜、駅ビルの2階にある
ジュエリーショップにいた。

テンポの早い洋楽が流れている
駅ビルは、平日にもかかわらず
今日も賑わっている。

2階にはジュエリーショップが
3店舗ほどある。

タクミは制服姿で、
20分ほど店内の商品を眺め
考えながら店を出て
また別の店へと行く。
そこでもしばらく商品を眺めて
また別の店へ行く。

ガラスケースの中に陳列されている
ブレスレットを眺めている。

40代の女の店員は、
何度も店にきては
難しい顔をして商品を眺めている
タクミに、最初は声をかけたが
ゆっくり眺めたいのだろう、と
察し、今は邪魔にならないよう
見守っている。

真剣な顔でガラスケースの中の
商品を眺めていると、
背後から声をかけられた。

「 ぁ。
 やっぱり〜
  こーんばん わっ!」 


「 、ぇ?」 

タクミが振り向く。

ダークグリーンのロングコートに
黒いショートブーツ。
ボブヘアーで、
キリッとした顔立ちの女性が
タクミに声をかけた。
タクミが女性の顔を見て呟く。

「知可子さん、、。
 こん ばんは 、、、。」

「何ーー?
 プレゼント?」

知可子がタクミが見ていた
ガラスケースを覗きこむ。

ガラスケースの中の
ブレスレットやネックレスを
眺めながら知可子は言う。

「 ちづるに?」

「 ぇ?  、、ぁーーー まぁ」

「 ふーーん、、。」

「、 、 、、。」

「 ぁ。 ねぇ、 
 この色、
ちづる好きそうじゃない?」

「 ぇ? 」


知可子はガラスケースの中の
ピンクゴールドのブレスレットに
指を指しながら言う。
タクミはそれをじっと眺めて言う。

「 、、そー、、っすね。」

「 ぁ。ネックレスだった?」

「ぇ?」

「プレゼント。」

「、 、ぁ。 いや、、。
どっちがいいかなーって、、。」

「 そっか。」

知可子は少し黙って
タクミの様子を伺う。
1人で選びたいように見えて、
その場を立ち去ろうと
タクミに声をかけようとする。

「まぁ、でも。
なんでも喜ぶと思うよ。
    ちづるは。 」

「、 、 、、。」

「 、、じゃあ  」

「 、 ぁ。」

「 ん?」

「、、時間、平気なら。
 ちょっと聞きたいんですけど。」

「 え?」

「、、どれが、好きそう、とか。」

「、、うん。
 時間は平気。
  帰るだけだし。」

「そー、、 っすか。」

「 あ! ねぇ、
 隣のショップは見た?」

「ぁーー、さっき。
    ちょこっと。」

「ちづるね、そこのブランド
   結構好きなんだよ? 」

「 え、マジっすか。」

「 そっち見ようよ。」

「、、そーっすね。
   じゃあ、、、 」

タクミと知可子は、
そう話しなから隣のブランドの
ショップへ移動した。


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