古都慕情〜東京-1
午後からは撮影、熟女もので甥と関係を持ってしまう人妻の役どころだ。
相手役の歳を聞いてみると21だと言う・・・和久と同い年だ。
抱きつかれ、押し倒されて胸を露わにされてしゃぶりつかれる、和久と歳は同じでもAV男優、余裕もあればテクニックもある・・・しかし、自分を欲して夢中になってくれているわけではない、あくまで仕事・・・それは自分も同じだが・・・。
男優に腰を掴まれると昨夜の思い出が消えてしまいそうな気がして本気で逃れようともがくが、がっちり抱えられて貫かれてしまう。
「ああああっ・・・・ぁぁ・・・・・」
和久が愛してくれた体を汚されてしまったような気持ちがした・・・。
「今の良かったよ、あれくらい抵抗した方がリアルだね、声にも絶望感があったな」
「そう、ありがとう・・・」
自分はAV女優、男優に抱かれ、それを撮影されるのが仕事なんだと改めて思い知る・・・京都での自分が嘘で、これが本当の自分・・・そう思うと力が抜けて行き、若い男優は存分にゆう子の体を蹂躙した。
「ゆう子の表情っていつも色っぽいけど、今日は特にいいよ」
監督が満足げに言う。
意識しているわけではない・・・気持ちの乱れが表情に出ているだけ・・・。
その日の撮影は半ば諦めたような虚ろな表情で甥役の男優に自由にされて行く・・・甥に犯される叔母の役柄だから結果的にリアルな演技にはなったのだが、ラストシーンのカットがかかってもベッドから起き上がる気力が湧かなかった・・・胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちだったが、涙は出てこなかった。
「そうよ、これが本当の私・・・夕べのことはもう忘れなきゃ・・・」
小さくそう呟いてようやくベッドから起き上がった。
「お疲れ様でした」
帰り支度を整え、携帯電話の電源を入れる、いつも撮影中は電源を切ってバッグにしまいこんでおくのだ、そのほうが撮影に集中できるから。
電源を入れるとメールが何本も入っていた。
和久がその日歩いた社寺が次々と現れ、簡単な言葉が添えられている・・・そして最後のメールには添付写真は無かった。
(この三日と一晩は忘れられない・・・また会ってくれますね?)
「さっき、これが本当の自分だと言い聞かせたばかりなのに・・・・」
そう呟くと思わず涙がこぼれた・・・。
(写真ありがとう・・・いずれまた・・・)
当たり障りの無い返事を返し、ゆう子は携帯電話を胸に抱いた・・・。
翌日からもメールは次々と届いた・・・懇願するような調子、少しイラついたような調子、夢見るような調子・・・和久の気持ちが乱れていることがひしひしと伝わってくる、そのたびに携帯電話を胸に抱きしめずにはいられない・・・しかし、ゆう子の返事はいつも同じ・・・。
(いずれまた・・・・)
翌週はSMものの撮影だった。
拘束椅子にきつく固定され、ファッキングマシンの餌食にされる。
和久に愛撫された肌に縄が食い込み、和久の精を何度も受けとめた膣を容赦なくファッキングマシンが穿つ、それがたまらなく嫌でゆう子は逝かされまいと唇を噛みしめる、しかしマシンのピストン速度をマックスにされると抵抗しきれない・・・。
「どうした?本気で嫌がってるように見えるけど、何かあったのか?」
監督に聞かれた。
「別に・・・最近慣れっこになりすぎてるような気がしてちょっと抵抗してみたの」
「そうだな、あれくらい抵抗した方がリアルだよ、陥落した時の表情が何ともいえなかった、ファンは喜ぶぜ」
「・・・・」
確かにそうかもしれない・・・しかし、嫌がって見えるのは演技ではない、ファンを喜ばすためにしていることではない・・・。
(これじゃいけない、私は応援してくれるファンを裏切ってるんだわ・・・・)
そう考えながら宙に浮かされる・・・水平に吊られての蝋燭責め、逆さ吊りにされての鞭打ち・・・・。
(これを見てくれて興奮してくれるファンがいる・・・その人たちの為に15年もやって来たんじゃない・・・・)
逆さのままバイブを挿入され、電マで胸をこね回されて喘ぎながらもゆう子は必死に自分に言い聞かせる。
ラストは椅子に拘束されてのハードピストン、馴染みの巨根男優がゆう子の脚を抱える。
「思い切り突いて・・・何もかも忘れさせて・・・」
男優に囁きかけると、男優は少し怪訝そうな顔をしたが、軽く頷いて思い切りゆう子を貫いた。
ゆう子の眉間に深いしわがより、懇願するような目で男優を見つめる。
男優はいつもより少し激しくピストンして来る、いつもならすぐに体が熱くなり、何も考えられなくなる、その感覚は嫌いではなかったはずなのだが、夢中でピストンする和久の顔が頭に浮かんで気が散る・・・それを見て取った男優は更に叩きつけるような激しいピストン・・・ゆう子の眉間に深いしわが刻まれ、何か言おうとしているように唇が動くが、声にならない・・・男優が更にテンポをあげるとゆう子は天を仰ぎ・・・力尽きた。
がっくりと仰け反ったゆう子の眉はもう開いている、そして焦点の定まらない目は虚空を見つめていた・・・・。
(そうよ・・・これでいいの・・・これで・・・)
(今日は休み・・・都合のいい時間と場所を教えて)
翌朝、メールを打つとすぐに返事は戻って来た。
(5時に新宿の西口イベント広場で待ち合わせでは?)
(5時に・・・でも場所は新大久保駅の改札にして)