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AV女優・ゆう子
【熟女/人妻 官能小説】

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ゆう子-1

 ゆう子がAV女優になったのは、まだAVが裏ビデオと呼ばれていた’82年のこと、AV黎明期と言って良い。

 小さい頃から人前で芸を披露するのが好きな子供だったが、中学時代に友達から誘われて入部した演劇部、そこでゆう子は人前で演技する快感を憶えた。
 
 高校は商業高校、勉強は嫌いで進学するつもりもなかったので、高校を卒業したら事務系のOLにでもなって適当に独身貴族を楽しんだら良い人を見つけて結婚・・・と言う平凡な人生を思い描いての選択だった。
 ただ、その高校に演劇部がなかったことがひとつの転機にはなった。

 ふと街角で見つけた劇団の看板、少し演劇に飢えていたのだろうか、ゆう子は吸い寄せられるように劇場に足を踏み入れた。
 しかし、そこで演じられていたのはゆう子が知っている演劇とはまるで違うものだった。
 
 まず、ストーリーがわからない、台詞も観念的な難しい言葉が延々と続いて結局何が何だかわからない・・・しかし、何か心に引っかかるものがあり、翌日も劇場に足を運んだ。
 二度目にはなんとかストーリーらしきものはわかった、登場人物はてんでばらばらにどこかを目指しているのだが、そこがどこなのかわからず、しかも誰も到達できないまま唐突に終ってしまう・・・意味を半分も理解できていないんだろうな、と思いつつも、ゆう子はその劇団に強く惹かれた。

 門を叩くまでにはずいぶんと迷ったり悩んだりしたのだが、叩いてみると門はあっさりと開かれた。
 劇団を主宰していたのはプロの演出家だったが、劇団員の多くは学生、それもゆう子の学力ではとてもお呼びがつかないような有名大学の学生ばかり、当然「女優」も何人かいたのだが、いずれも少しきつい感じの理屈っぽいタイプばかりで、劇団としてはゆう子のようなふんわりとした雰囲気を持つ女優を必要としていたのだ。

 ただ、やはりと言うべきか、劇団の中でゆう子はどうしても浮いてしまう、とりわけ「女優」達からの風当たりは強かった。
 そんな時に付け舟を出してくれたのが学生リーダー格の彼。
 そして、彼に庇護されているうちにいつしか二人は恋仲となり、男女関係も結んでしまう。
 彼は特別経験豊かと言うわけではなく、女性の扱いに長けていたわけでもなかったが、元々そうなる資質が備わっていたのだろうか、ゆう子はまだ高校生ではあったが、早くも女として大きく花開いた。

 しかし、その彼も大学を卒業して銀行に就職するとすっかり演劇の匂いを失ってしまい、二人は直に別離を迎える、それと同時に庇護者を失ったゆう子は劇団にもいづらくなってしまい退団、結局、ゆう子は高校入学当時の予定どおり小さな商社のOLとなった。

 OL生活は悪くなかった。
 先輩達はゆう子を可愛がってくれ、アフター5にはあちこち連れ回してくれた。
 それはそれで楽しく、それなりに刺激的な日々、しかし劇団時代のとげとげしいまでの刺激とは違う・・・「普通」になってしまった彼に魅力を感じなくなって別れたのに、自分も「普通」になって行く・・・そんな後ろめたさも感じていたゆう子は、少しづつ先輩達と疎遠になって行く。
 その反面、まだ19歳と幼さも残しながら既に女としては花開き、芳しい密の香りを振りまくゆう子は男性社員には非常に魅力的な存在、デートの誘いは引きも切らない、そして生来のサービス精神と言うべきか優柔不断と言うべきか、強く迫られると断りきれずについ体を許してしまう。
 そんな事を繰り返しているうちに、いつしかゆう子は「プレイガール」の烙印を押され、女性社員の中で爪弾きにされ、男性社員からも尻軽女と蔑まれるようになって、鬱々とした日々を過すことになった。

 スカウトを受けたのはそんな折、独りで夜の街をぶらぶらしていた時のことだった。
 裏ビデオに出演してもらえないか?と言うのは普通ならとんでもない話、しかし、ゆう子は執拗なほど熱心な誘いにほだされてしまう、劇団の中でも会社の中でも居場所を見つけられなかったゆう子にとって、自分が必要とされている、熱望されていると言うことが嬉しかったのだ。
 ともあれ最初にOKしたのはアイマスクをつけて出演する約束の一本だけ。
 しかし、その撮影で、ゆう子はカメラの前でセックスすると言う異常な状況に興奮してしまう、演劇の舞台上での緊張感、高揚感が呼び醒まされ、それがセックスの快感とない交ぜになってゆう子を責め立てたのだ。
 その撮影でゆう子は激しく悶え、痙攣するほどに逝かされた。

 黎明期、女優のレベルがまだ低い中で、20歳と飛び切り若く、ふんわりとした雰囲気の「嫁さんにしたいタイプ」のゆう子が、セックスシーンとなると見事な感じっぷり、逝きっぷりを見せる・・・そのビデオが売れないはずもなく、ゆう子は強く乞われるままに二本目、三本目と出演を重ね、やがてアイマスクを外して素顔も晒すようになる・・・AV女優・ゆう子の誕生だ。

 AV女優としてこの上ないスタートを切り、その後も安定した人気を得ていたゆう子だったが、5年もするとさすがにマンネリになる、ゆう子自身も倦んで来て辞めることも考え始めた、そんな折に開催されたのがファン感謝デーだった。
 それまでは、カメラの向こう側にファンの目は意識してはいても、直接その熱気に触れることはなかった・・・ファンにもみくちゃにされて嬉しい悲鳴を上げたゆう子は、自分がやって来たことがここまで喜ばれている、支持されている事を知り、気持ちを新たにした。

 その後のゆう子は惰性でマンネリ化した作品を撮る事を拒み、前作よりも良い作品を、刺激的な作品を求めてハードな撮影にも挑んで行く。
 が、それにも限界がある、3年を過ぎた頃には考えられることは概ねやりつくし、メーカー側もゆう子の固定ファンを当て込んだだけの作品に逆戻り、売り上げもジリ貧が続いていた・・・。
 
 裏ビデオでのデビューから10年・・・さすがに今度こそ本気で引退を考えた。


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