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〈生贄の肉・二つ〉
【鬼畜 官能小説】

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〈無垢なる願い〉-1





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どしゃ降りの雨に打たれる教会の前の道路には、赤いライトが忙しなく点滅を繰り返していた。

これほどの悪天候の中、いつまで経っても帰宅せず、携帯電話も繋がらなくなってしまった玲奈の安危に不安を感じた両親は、遅まきながら警察に通報したのだ。

風は強さを増す一方で、ザワザワと揺らぐ木々は稲光に照らし出される……。


『私共の修道院で預かっている、見習いのシスターも居なくなったんです』

『お願いします、お巡りさん!娘を…娘とシスターを早く見つけてください!』


雨合羽を着た警官達に、傘を差した人達が詰め寄る……玲奈の両親は切羽詰まった沈痛な面持ちで固まり、修院長ですら険しい表情で横殴りの雨粒に頬を濡らしていた。


『この教会に防犯カメラは?』

『……いえ…そのような物は………』


盗むような物など無かったし、まさか教会に悪戯をしようなどという罰当たりな者など居るまいとの思いから、防犯カメラは設置してはいなかった。

生け垣を隔てて隣接している幼稚園には設置されてはいたが、あくまでも自分の施設の防犯が目的であったので、教会の方には向いてはいない。

つまり、あの拉致を目撃した物(者)は、一人として居ない事になる。


『とりあえず、教会の中の指紋採集と、床の足跡や泥の含水率を調べるしかないですね。あと、付近の聞き取りを始めます』

『お願いします!宜しくお願いします!』

『あぁ……どうかご無事で……』


激しい雨は男達と玲奈と奈々未の足跡を打ち付け、洗い流そうとしていた。
鳴り響く雷鳴は、天に唾した者達への怒りとも思えたが、どこか悪魔の高笑いのようにも聴こえた……。



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